「スラムダンク」というバスケットボール漫画は皆さん、ご存じでしょう。
わたしも数多くの漫画を読んできた方であると思っているが、一番面白かった漫画は何かと問われると、スラムダンクと答える。スラムダンクは30回は繰り返して読んだ作品である。
41歳になって、久しぶりに読みたくなったわたしは、新装改編版というものを購入した。
実はメルカリで中古版を買おうとしたのであるが、スラムダンクはあまりに人気なようで、中古市場にほとんど無いのである。出現してもすぐに売れてしまうのでほとんど値崩れしない。これには驚いた。井上雄彦先生は凄い。そして大きな書店に行くと、未だに新品のスラムダンクは売っているのである。ドラゴンボール級の作品と言える。今から30年も前の作品であるにも関わらず。恐るべしスラムダンク。
そして全20巻あるスラムダンク新装改編版、新品で購入して全巻揃えて13000円くらい、大人買いだ。ただし、いっぺんに買うのは気が引けるので、5冊ずつ。まずは1巻から5巻までを購入した。そして5巻を読み終わるころ、僕は電車の中で半泣きになり鼻をすすっていた。なんて面白いんだ!5巻の終わりはちょうど、三井が安西先生に「バスケがしたいんです」というシーンで終わるのである。6巻からは三井復活ストーリー、神奈川県大会の初戦、三浦台戦が始まるはずである。6巻以降も買っとけばよかった!どうせ20巻集めるんだし!と5冊ずつ購入したことをすぐに後悔し、さらに10冊買い足した。合計15冊。
さて、われわれの世代が集まると、スラムダンクのキャラで誰が好き?とか、スラムダンクのキャラなら自分は誰だと思う?という話題が通用する。そして、桜木か流川か、ちょっと意識高い系の人は、宮城リョータか三井、あるいは陵南の仙道、海南の神あたりだ。なかなか赤木ゴリキャプテンや海南の牧という人はいないだろう。
しかし、多くの人は、木暮君である。
10人いれば、9人は木暮君である。実際に見まわしてみるがいい。
みんな眼鏡をかけているではないか。
ずば抜けた才能と能力を持つもの、自分だけのスペシャルな能力を持つもの、強力なリーダーシップを持つもの、まわりで噂になるほどの人、そんな人は滅多にいない。ただし、努力はするし、上司のサポートはするし、誰かがいなくなればすぐに自分が行く準備はしていて、そして、呼ばれればそれなりの仕事はする。
そう、それが木暮君。
特別な能力が無くても、チームの一番の努力家である。陵南の田岡監督が甘くみても、試合を決めたのは、あなどられていた木暮君の3Pシュートだった。40過ぎてスラムダンク読みなおして思うことは、
若かったあの頃より、三井の気持ちが染みること
自分は木暮君であること
そして、桜木や流川のようなエースプレーヤーは、確かに存在し、世の中を引っ張っているということ
ということである。なんだか少し切なくなるのである。