今日は親父の話。
大学入試の二次試験を翌日にひかえ、僕は一人で
渋谷のホテルサンルートへ向かいました。
大阪からの受験だったので、前日入りして宿泊します。

受験会場の下見をして、あとはどこへも行かず、
部屋で勉強していたと思います。ホテル側が、
受験生向けに自習室などを用意してくれていたのですが、
とても、他のライバル受験生の顔など見てはびびりそうで、
利用しなかったです。晩御飯も、外食する勇気もなく、
ホテルのたいして美味しくもない飯を食いました。
あとは、ゆっくり寝て明日に備えるだけ。

そんな頃、大阪の実家では、親父と真ん中の姉(僕には姉が3人いる)が
大喧嘩をしていました。普段は寡黙な父親なんですが、
お酒が入ると饒舌になります。
365日、毎日必ずビールを飲むので、毎日饒舌。
この日も絶好調で、夜も12時を過ぎたころ、
おもむろに電話の受話器を取りだしたらしいです。

不審に思った姉が

「どこに電話かけるん?」

「東京(同郷という言葉を発音する時と同じイントネーションで)で
一人で寂しい思いをしている息子に電話掛けるんや」

「お父ちゃん、何言うんてんのん、そんなん絶対したらあかんで、絶対やで」

「分かったわ、せーへんわ」

と言い聞かせた姉は安心して寝室へ向かいましたが、
どうしても我慢出来なくなった親父は…

 

(その頃東京では…)

プルプルプル

ん?電話???

「フロントです、お電話です」

「……(こんな時間に一体何だろう)」

「息子、俺はお前が一生懸命勉強してたのは知ってる。
結果はどうでもいいから頑張ってきーや、それだけや。

「うん、分かった、ありがとう」

それだけの会話でした。

まさかの夜中12時半に親父からの電話。。。

 

僕はその時、、、

試験が終わったら、親父に復讐をしようと心に誓い、、、

というのは嘘で、正直救われた気がしました。
実を言うと、全然寝られなくて、焦っていたんです。
普段、木造長屋の隙間風だらけの極寒の中で寝ていたので、
ホテルの適温が暑過ぎて暑過ぎて全く寝られなかった。
だから、この電話は何だか本当に有り難かったと記憶しています。
その後、フロントに電話をして、どうしても暑いのでエアコンを
切ってくれと頼んで、まあまあ普通に睡眠を取ることができました。

普段は勉強について何も言わない親父。
毎日ビールを飲んでは大いびきで寝るので、
僕は高校3年生の8月までは毎晩耳栓をして勉強していました。
耳栓も、1週間くらい使うと効果が弱くなってくるので、
しょっちゅう耳栓は買い換えて。
夏休みが終わる頃、とうとう僕はぶち切れて、
この家は俺を合格させる気はないんかぁぁ!!!と爆発して
母親と喧嘩してしまいました。家族もこれはたまったものではない、
こんなヒステリー受験生と気を遣いながら一緒には暮らせん、
ということで、ワンルームマンションを借りてくれました。
高校3年の受験の時は合計で100万以上
使わせてしまったのではないかと思います。

そんないびきのうるさい親父でしたが、
本当は僕のことを心配してくれていたんです。
それが分かったのは正直嬉しかったです。

信頼されていたんだなぁ、と。

ですのでこれを読んだ保護者の皆さん、お子さんがなかなか
自分から勉強してくれない、ということなどもあるでしょうが、
大切なのは信頼関係。がみがみ言うだけではやる気もそがれちゃうので、
ちょうど良い距離感のようなものが見つかればいいなぁ、と僕は思います。
子供は目標があればそれに向かって力を出せるはずなので、
そのように促して、あとは全部任せちゃう。

自分で決めた道だから、全力でチャレンジ出来る。
全力が出せればきっと結果も付いてきます。
駄目なら駄目でもいいんです、力を出し切って駄目だったとしても、
きっとそこから何か大切なことを学べることでしょう。
そして、その後の新しい道も自分で切り開いて行けるはずです。
そしていつか勝利を掴むことは間違いないです。

結果に一喜一憂せず、
頑張った子供の姿を認めてあげることができれば、

きっと子供はそのことを一生覚えていて、ずっとずっと感謝しています。

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